島ぜんぶでおーきな祭 -第16回沖縄国際映画祭- 2024年4月20日(土)・21日(日)

4月20日(土)には、那覇文化芸術劇場なはーと大スタジオで『おしゃべりな写真館』が上映。上映後には中原丈雄、賀来千香子、山木雪羽那の俳優陣と監督の藤嘉行が舞台挨拶を行いました。

『おしゃべりな写真館』は、北海道鹿追町の古い写真館を舞台にした作品。緑内障を患う生きがいを失ったカメラマン（中原丈雄）と、行き場をなくした少女（山木雪羽那）、そしてこの世に未練を残して亡くなったカメラマンの妻（賀来千香子）と義父（橋爪功）。心に傷みやわだかまりを抱えた4人が、大自然の中で織りなす再生の物語です。

この日の舞台挨拶で司会を務めた、沖縄県住みます芸人のゆか（ハイビスカスパーティー）は、「私は雪を見たことがなくて、この作品で真っ白な一面の雪景色を始めて見ました」と北海道の壮大な景色に圧倒された様子。観客も、作品中にたびたび登場する雪景色や大草原を食い入るように見つめていました。

この作品は北海道ですでに先行上映されていますが、北海道以外では今回の沖縄国際映画祭が初上演。主演をつとめた中原は、「北海道の大地で撮影された作品が、この沖縄で上映されたことが、ものすごく僕は嬉しい」と感無量の表情を浮かべます。

またカメラマンの妻役で自身初の幽霊役を演じた賀来千香子も、沖縄で上演された喜びをこう表現しました。

「この作品は、大自然の中での人間再生の物語だと思っています。北と南で違いますけど、沖縄も本当に綺麗で広大な海がある。大自然の厳しさや、自然に育まれた人の心の温かさは、通ずるもの、共感するものがあって、皆様にも響くのではないかと思います」

この映画がデビュー作となった高校1年生の山木雪羽那は、撮影初日に緊張で泣いてしまったという初々しいエピソードも明かしつつ、観客に向けて作品の魅力をこうアピールします。

「この映画は北海道の自然だったり、優しい人々だったり、かわいい動物だったり（が登場します）。そういうものを観て、すごく優しい気持ちになれる映画だと思うので、ぜひ広めていただければ嬉しいです」

撮影当時は中学校2年生だった山木の堂々とした挨拶に、役者陣と監督も笑顔。「あまりにちゃんとした挨拶をするんで、成長しちゃっててびっくりした」と藤監督が話すと、会場からも笑顔がこぼれ、作品同様に温かなムードで舞台あいさつは行われました。

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